リコーダーの起源というと古代まで遡ることになるのだろうが、今のリコーダーとしての始まりは修道院で葦笛が作られたとも言われている。
ルネサンス、バロックとスタイルを変え、後にフルートによってその地位を奪われる。
近代になり、古楽器復興の動きの中でリコーダーは一般的に親しみのあるものとして蘇った。
現在、最古のリコーダーとしては14世紀後期のものが発見されている。
カテリーナでは中世リコーダーを、万能な素材である竹(篠竹)を使って製作してきた。
勿論木製でも製作している。
ここ大分は竹の技術の場としての歴史もあり、本来は素晴らしい素材の宝庫である。
日本で製作する場合、その気候風土に合った材を使うことは木材を含め大切なことである。
同時に、初めから円筒形になって育っている材は、製作にかかるエネルギーを大きく削減することが出来る。
しかし、一概に竹と言っても材料として良いものは伐採したなかから数パーセントしか出会うことができない。
自然素材の宿命だが、同じ規格のものを揃えることは困難であり、その違う規格の材と向き合い一つ一つ丁寧に作ることが大切になる。
材に出会える環境と、選定眼がある上で製作が始まる。竹は良し悪しが後にはっきりと出てくるから面白い。
地域の竹を伐採し、油抜きをし、3年以上乾燥させてようやく使えるものになる。
時には古民家の天井から出てきた煤竹に出会うことがあるが、この材は150年以上の時を経ている。貴重なマテリアル。
改めて竹の美しさと可能性を感じている。
木製と竹製の中世リコーダー。
カテリーナではどちらも製作しているので、違いを体感してもらいたい。
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