カテリーナ主屋劇場化計画

「森の劇場Cocoon計画」

国東半島の付け根に位置する大分県杵築市山香町にカテリーナ古楽器研究所はあります。 カテリーナの森と呼ばれる屋敷森には 128年程経つ主屋と古楽器製作工房が建っています。 ヨーロッパの古楽器製作を行うと共に音を奏でアンサンブルをし、衣を縫い、米を育て、住を整えながらの暮らしが存在しています。

主屋は 1893年(明治26年)4月に建てられたままの瓦が乗っており、屋根の老朽化が深刻な状況となっています。このままの状況ではままならず、これまでの活動の一部休止を余儀なくされています。いよいよカテリーナの森の古民家を再生させるプロジェクトを始めます。

30年前に松本一家が移住し家族が営みを織りなしてきた住空間でもある古民家を劇場として生まれ変わることを自らが提案。それは大きな決断であり、この想いにたどり着くまでに多くの道のりがありました。想いが深いこの場所を開くことへの躊躇と希望をもって、多くの人と共に、場をコモンズとしながらも、核となるエネルギーを損なわない変化を遂げることが出来るのなら挑戦してみようと決意しました。仕事の場、遊びの場、学びの場、出会いの場、音の場、ものづくりの場、未知数のこれからを皆様と創り上げていけることを強く望んでいます。

カテリーナ古楽器研究所 主宰 松本未來

カテリーナの森建築学校

「森の劇場Cocoon」デザインワークショップ

〜建築、という概念と、デザイン、という概念の力関係=包含関係について〜

 

日本では、デザインという概念のイメージのほうが大きく取り扱われるようになってきました。そこから建築をひとつの部分的領域として包含しているかのように見られています。国際デザイン会議のようなものもデザイン概念の包摂性に立ち、大きく使われてきています。しかしながら、歴史的な建物の評価や文化財化に立ち、劇場化をめざすという本プロジェクトの場は、建築をひとつの部分的領域として取り扱うのではなく、神が宿ると言われてきた細部から大きな空間や場への展開、さらにそこで行われるさまざまな芸術行為を総合的に見た場合、あえて「建築学校」という言葉を用いてみてはどうか、とご提案。

具体的には、〇〇建築学部インダストリアルデザイン学科、〇〇建築学部ファッションデザイン学科、というような力関係となります。

したがって、今回あえて用いる「建築学校」というイメージも、あの建物を普請するための技術・技能を身につけるものとしてではなく、総合的に主屋の劇場化リノベーションというプロジェクトを媒体として、建築を構成するさまざまなデザイン概念をもう一度ひもときなおしつつ、自分のくらしや人生に引き寄せなおしながら、より良い人生を過ごしていく契機づくりをめざそう、といった企みを含んで用いたいと思っているのです。

藤原惠洋

工学博士 建築史家 藝術学修士
九州大学名誉教授/竹田市文化振興財団理事長/藍蟹堂ワークショップ主宰

1991(平成3)年大分県山香町大字野原貫井の旧志手總一家へ移住した松本公博・照一家は、主屋を「カテリーナ古楽器研究所」と位置付け、西欧中世の古楽器の復元や再生を標榜、主として大分県産材や竹材を生かしながら日本独自の古楽器創作を展開してきました。そこから屋敷地は「カテリーナの森」と呼称されるようになりました。広大な敷地の東南一角には、1956(昭和31)年、当時の志手家惣領の志手環・義文親子による「山香郷 開発 一千年供養」塔が建立されています。

こうした由緒ある歴史的背景と松本家による古楽器の創造的再生という意義深い経緯に立脚し、2021年度より継続的に実施する〈カテリーナの森〉建築学校は、開講に当たって、主たる主旨と目的を以下の10点とします。

(1) シンクタンク調査研究

1890年頃(明治20年代)竣工した明治期古民家の旧志手総一家主屋を「森の劇場Cocoon」として再生する際の段階的プログラムを打ち立てるためのシンクタンク調査研究活動を遂行する。

(2) 段階的プログラムデザイン+基金創出クラウドファウンディング

明治期古民家の旧志手総一家主屋を「森の劇場Cocoon」として再生するための段階的プログラムデザインを創出、同時に基金創出のためのクラウドファウンディングを展開する。

(3) 国登録有形文化財化

明治期古民家の旧志手総一家主屋を国登録有形文化財として登録化する。

(4) 「森の劇場Cocoon」建築デザイン

明治期古民家の旧志手総一家主屋を活用した「森の劇場Cocoon」建築デザインを展開する。

(5) 「森の劇場Cocoon」施工に必要な情報・技術・材料、技能者人材の調達

明治期古民家の旧志手総一家主屋を活用した「森の劇場Cocoon」施工に必要な情報・技術・材料を確定していき、そのうえで技術者・技能者・参画者・支援者を構成していく。

(6) 「森の劇場Cocoon」躯体施工ワークショップ

複数回の段階的作業を通した躯体施工ワークショップを展開していく。

(7) 「森の劇場Cocoon」仕上げワークショップ

複数回の段階的作業を通した仕上げワークショップを展開していく。

(8) 「森の劇場Cocoon」事業・企画・運営のためのコモンズ育成

「森の劇場Cocoon」の事業・企画・運営を司る人材ネットワーク〈森の劇場Cocoonコモンズ〉の育

成を同時に進展させていく。

(9) 「森の劇場Cocoon」デザインの全過程・全事業の記録・広報・情報化

「森の劇場Cocoon」デザインの全過程・全事業の記録・広報・情報化を進めていく。

(10) 「森の劇場Cocoon」デザイン事業を通した人材育成と人材バンク

「森の劇場Cocoon」デザイン事業を進めるうえでの人材育成と人材バンクを展開していく。

​以上の10点を大きなイメージとして展開予定ですが、あくまでも劇場化計画が始まる前段階のたたき台であり、このプロジェクトは参加者がこの道筋を作り上げていく参加型リノベーションでもあり、ある時は、横道にそれながらも学びと楽しみをもって進んでいくことを目論んでいます。

カテリーナの森「建築学校」

森の劇場Cocoonまでの道のりに期限を持たせずに、経過を学びの時間とし、あらゆるお話やワークショップを展開させながら実働へ向かうプロジェクトを藤原惠洋氏を学長とし「カテリーナの森建築学校」を開校。一般にも開かれた参加型プログラムとなります。

12月18日は、カテリーナの森建築学校開校前のキックオフミーティングを開催します。

藤原惠洋氏がナビゲーターとなり、ゲストにトヨタ自動車の設計デザインを長年行なってきた諸星和夫氏との対談。そして参加者とのブレーンストーミング。これからを語る大切な1日です。

 

下記のタイトルをクリックし詳細ページへお進みください。

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​▲詳細はこちらをクリック

12/18-12/19

​参加費|1,000

-profile-

カテリーナの森建築学校 学長

藤原惠洋

1955年熊本県阿蘇山麓菊池生まれ。

九州大学工学部建築学科卒、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了・藝術学修士、東京大学大学院工学系博士課程修了・工学博士。東京大学生産技術研究所において藤森照信らと東京建築探偵団を展開。その後、赤瀬川原平、林丈二らの路上観察学会に参加。國學院大学兼任講師[美術史]、千葉大学工学部工業意匠学科助手、九州芸術工科大学芸術工学部工業設計学科講師[造形論・デザイン史]、同大芸術情報設計学科助教授[芸術文化環境論]、オランダ国立ライデン大学文学部日本学研究センター客員教授を経て2005年〜九州大学大学院芸術工学研究院教授。2021年4月九州大学名誉教授。九州文化資源研究機構代表、竹田市文化振興財団理事長、藍蟹堂ワークショップ主宰。文化審議会世界文化遺産部会専門委員、等を兼任。著書に『アジアの都市と建築』鹿島出版会、『上海〜疾走する近代都市』講談社現代新書、『建築デザイン101のアイデア』(翻訳)フィルムアート社、等。設計作品に『小島直記文学碑』(福岡県八女市)、『由布院美術館露天風呂』(大分県由布市)。舞台プロデュース作品『天の滴、月の樹にすくう』(第3回ふくおか県民創作劇場招待作品)等。

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