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【WORK SHOP】_______________________

カテリーナの母屋の空間、野外のコンサートを定期的に開催してきました。

​福生に工房を構えていた時は、カテリーナオープンスペース・みんなのコンサートと題して、世界の民族音楽や日本の伝統芸能、さまざまな音楽会を開いていました。山香へ移転してからこの森でも、その流れを引き継ぎ、演奏会の企画を続けています。今後の劇場化へ向けて、さまざまな音楽や催しの企画も構想しています。

​森の歩みとこれから

【音を奏でる場】

​東京・福生に工房を構えていた時は、カテリーナオープンスペース・みんなのコンサートと題して、世界の民族音楽や日本の伝統芸能を中心とした音楽会を開いていました。山香へ移転してからも、その流れを引き継ぎ、母屋の空間では古楽、ワールドミュージック、アイリッシュ、寄席等々。またカテリーナの森では2021年まで14年間sing bird concertを開催。音楽と自然と食とアートが一体となった空間を森にデザインし、終日森が音楽で包まれる空間へ家族赤ちゃん子供達老若男女多くの方々にお運びいただきました。

今後カテリーナの劇場化を叶えた折りには、屋内野外ともにわくわくするさまざまな催しの企画を構想しています。

【学びの場】

シンプルな楽器作りを通して音の鳴る不思議を体感する合宿。古楽器、オリジナル楽器、私の楽器作りの講座。グレゴリオ聖歌、古楽器を伴奏とする中世・ルネサンス時代の曲を歌う合唱団の指導。自然や、つくることが好きな人の出会いの場となり自然発生的に起こるアンサンブル。耳を澄まして自然の声を聴く。多様な感性が刺激される事で五感が開き、自然を感じ普遍的なものづくりや遊びの中に込められた知恵、音楽を通してそれぞれの可能性が引き出されてゆく、という数々を工房空間と完成した劇場をフルに活用して展開します。

遡る事昭和の中盤頃、この建物の中では英語塾が開かれ片田舎のこの地には多くの人が通っていたといいます。聖歌隊の歌声が建物の外へ洩れ聞こえる音を聞いた瞬間、何か重なり合うものを感じる事がしばしばあります。

この場の役割を鑑みた時、音楽や楽器のみならず今後は様々な講師陣をお迎えして学びの場を設けたいと考えています。

【農と衣・食・住】

季節毎に実る果実。育苗から無農薬で育てるお米、麦、大豆。持続可能な種子の保存や、循環型の農事の実践と実験を繰り返しつつ、

加工、発酵、保存食をつくる。その作業は、実にワクワクして時を忘れ、受け継がれた技を学び合いながら、

毎年異なる味わいの味噌など一年の糧を得る。冬の寒さの中、白木蓮はつぼみを膨らませながら春を待つ。

一年最初の木蓮花茶会を開き、春を戴く。野草を食し、薬草茶を作り、初夏には森の茶葉を摘み、自然茶烏龍茶紅茶作りと森の茶会。

ねむの木の花が咲いたら雨を待ってそろそろ大豆を植える。辺りの田園が水で満たされ蛍が飛び交うと同時に、

田圃の仕事は秋まで休む間もなく繰り返される。

銀木犀の芳醇な香りが降り注ぐ頃、白鷺が優雅に飛び交い、緑の絨毯が少しづつ色味を変え曼珠沙華の赤が映え、

これは天国かとさえ思う景色が目の前に広がる。そして収穫の時は嬉しい、掛け干し竿にずらりと並んだ稲穂の束は、

晩秋の陽を浴びて美しい。脱穀が遅れると北風が吹き始めるので、時間を取り過ぎてはいけない。

最後の月がやって来る前には麦を蒔いて。12月最後の恵みとご馳走は緑米の餅をついての年忘年忘れ。

カテリーナの森の一年は、音楽と共にある景色と農作業によって豊かな彩りを描けています。

未来へ残したい風景をこれからもつくっていける事を願っています。

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【文化の交流地点・発信地としての役割】

カテリーナが移住した31年前とは大きく異なり、移住や田舎暮らしをサポートする体制や社会的認証は大きいものとなりました。現在では、この町に遊戯場や映画館、コンサートホールのいずれもありませんが、神楽殿での五穀豊穣を願う春の祭典、水まつり、秋の大神楽、新嘗祭、供養盆踊り、除夜の鐘つきといった普遍的な歴史行事が営々と続いている事は誇るべき田舎の暮らしです。それら自然の運行に伴う行事と寄り添いながら、カテリーナでは世代を超え、時代を越え、国を越えた文化の愉しみの場を設ける事で、子育て世代の家族や都会からの移住者と地域との架け橋としての役割を担って行きたいと思っています。

 

○歴史ある土地

千年続いたこの土地の意味は、今から800年~1000年遡った古楽器の歴史と復元する道程と重なり合うものがあります。

カテリーナの東南の田圃に建立されている一千年供養塔、東西に流れる光と風、湧き上がる聖水、西に位置する平安後期の遺跡が発掘された古墳を備えるこの地の持つ力、磁場力という目にはみえないパワーを、ここへ集う人々は理屈抜きに感じるのでしょう。この地での、永続的なパフォーマンスの実現と同時に、ここへ人々が集う意味と迎える役割を考える時、アーティストやミュージシャンのみならず、音楽や楽器や自然やここを求めて訪れる人が一時滞在羽休めする地としても開かれた場でありたいと願っています。

 

○歴史ある建築

カテリーナの母家の古民家は130年近くの歴史を持ち、大黒柱や恵比寿柱、大きな梁や手斧で仕上げられた桁など、明治期の技術を最大限に活かした構造としての建物をそのまま残しつつ、私達は自由度の高い空間づくりを目指しています。脈々と続いて来た土地のこの建造物の持つ役割とその価値が、今後さらに100年200年続く場となる事を想像して、空間作りをしてまいります。

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