
古楽器を生みだすカテリーナの森の古民家を改修し小劇場をつくる。
このプロジェクトについて
私たちが移り住む前から受け継がれてきた建物を遺したい。
音をつくり奏でる場、育つ場、学ぶ場。この土地に湧き出る文化の泉となり、
世界も世代も超えて人々が集う交流地点をつくるその最初の一歩に
みなさまのお力をお貸しください。

カテリーナの森について
田んぼの中の古民家をすっぽり囲む森。おとぎ話に出てきそうなたたずまいの
「カテリーナ古楽器研究所」はヨーロッパ中世時代の古楽器を復元、製作し、
農的暮らしを実践しています。

絵:安藤正人

福生にて20年、移住してから33年間、二代に渡り制作を続けている古楽器。
現代楽器のヴァイオリンやギター、ハープやピアノなどの前身となる楽器です。

24年暮らした東京を離れて、1991年に家族とともに大分県山香町に移住。
中世・ルネサンス時代の音楽や楽器は、一部の人が楽しむものだけではなく、生活を潤し苦楽を共にするすべての人の生活に根差した存在でした。そんなイメージを常に抱きながら、東京 福生時代から「みんなのコンサート」と題し民族音楽を紹介する場を、そして2005年からは大分県山香町にて、音楽と食とアートが融合した森のコンサートSingBirdConcertを15年間、国内外の多くの演奏家やアーティスト、料理家の皆さんと共に創り上げてきました。野外での公演でした。
カテリーナ古楽器研究所50周年で行われたイベント
自然と共生し循環する暮らしの中から楽器を生み出し、音楽に包まれる豊かな時間を多くの人々と共有する機会を作るうちに、いつしかここは ”カテリーナの森” と呼ばれるようになりまし た。


無農薬で育てているカテリーナのお米。梅雨には水田の景色。秋には掛け干しの風景が広がる。
母屋の改修について
このプロジェクトは、カテリーナの森にある築130年の古民家を改修して、世界へと繋がる文化の交流地点となる劇場・オープンスペースを創りたい。そんな思いで始まりました。33年前、この古民家と縁あって出会ってから、建物としての美しさ、木・石・土・竹や藁から作り出される造形美に共鳴するように、これまで自らの手を加えて暮らしを紡いできました。

母屋で一際大きな存在感を放つ、継ぎ目のない一本の梁。地震や湿気乾燥に柔軟に対応できる、地域風土に合った建築方式と、やがて土に還ることができる素材で作られています。古くなったからと壊してしまうのは一瞬ですが、素材としての素晴らしさと職人さんたちの技術について知 って行くと、現代ではいくらお金を積んでも二度と手に入らない宝だとわかります。そのように感じると、130年前に母屋をこの場所に移築した職人さんたちが、それ以前に使われていた江戸期の材料を引き継げる所には引き継いで利用した理由がわかるような気がしました。
