内田輝 × baobab
古楽器を共通言語に音を通して静寂の中祈りを捧げた。
音が不思議な波を描いたように、音が重なる。
会場はカテリーナの森近くにある、この日初めて公開された空間LIFTでの演奏会。
ここは、もともと早稲田にあったギャラリーLIFTを運営していた八木良介の新たな空間。
100年を超える古民家を壁もない状態から数年をかけて作っていった。
古いものにはとらわれない彼のセンスと、今後も残していきたい土の技術などあらゆるものが混ざり合っているが、一つの空間としてスッと気持ちの良く、面白い場所だ。
今後この場所が、何かとして常に開かれるわけではないかもしれないが、彼を知る場所なのかもしれないし、LIFTの作りたいものがここに行くと分かるのかもしれない。
古道具、空間、作品を作るLIFTの八木君のこれからを楽しみに思うそんな空間での演奏会だった。
-音-
音楽をあまり重々しく捉えたり、表現したくはないが、静寂の祈りをテーマに古楽器で奏でられた音はとても今の自分にフィットした。感覚が研ぎ澄まされて行く瞑想の世界に近いのかもしれない。
内田輝の制作したクラヴィコード、松本未來の制作したシトールとサルタリー、そして松本公博の制作したレベックの響きが交錯していく。
自分に向き合い、心地良い音を見つけるような作業の一つだった。
即興、アンサンブル、古楽、新たな音楽を見つけるような音の旅だった。
同じ世代の内田輝がクラヴィコードという古楽器を制作し演奏していることは大きく共感する。父と共に18年古楽器を制作してきて、変化の時期に改めて彼と音に向き合えたことは大切な時間となった。
この瞬間を共有していただいた皆様に大きな感謝と、今回人数制限の為お断りしてしまった方へ申し訳なく思っております。
今後の制作する古楽器や音楽をどうぞ宜しく御願い致します。
photo by Tatsuhiko kato
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